サクラ天狗巣病(桜てんぐすびょう)

思い出の場所には、必ずあるソメイヨシノ。日本中が開花を待ちわびる桜ですが、天狗巣病に罹りやすいという宿命があります。ソメイヨシノを愛でる場所の数だけ、この病気と闘っている自治体と組織がありました。ここまで放置された畑、河内地区をもつ政令指定都市も珍しいと言えるでしょう。この病気を克服している都市を訪問してみました。
仙台駅からJR東北で40分、「大河原駅」は桜で有名な所です。開花時は、JR列車も速度を落とし、車窓からソメイヨシノを楽しみます。川沿いで、湿気が多い所です。


JR東北・大河原駅「一目千本桜」
大正12年700本の桜が植樹され、昭和2年地元の柴田農林高校の生徒が、500本植樹しました。
それ以来、柴田農林高校では剪定による管理を伝統行事として行っています。それは、大河原町の冬の風物詩です。
大河原駅から歩いて15分のところに、柴田農林高校はあります。校門近くの歩道は、ラベンダーの香りが漂っていました。
インターネット上だけの訪問約束に、快く応じてくださった先生がたです。
左から
農業科学科教諭  山下先生
農業部副部長   三好先生
農業クラブ顧問  高橋先生
訪問した     広田礼子
柴田農林高校
道具は、長い竿の先に鎌やのこぎりを括りつけたものです。これ以上高いところは、町が業者に頼みます。

先生方より貴重なデータをいただきました。以下公開させていただきます。

病枝数について
昭和 61 62 63 平成
病枝数 4,808 7,687 10,126 9,121 6,551 4,334 3,754 1,216
平成 10 11 12 13 14
病枝数 2,350 1,127 1,380 783 515 320 250 350
約10年周期で病枝数の増減が見られ、増加原因は老化現象のためと考えられる。しかし、最近は大河原・柴田町とも、私たちでは届かなくなった高所の病枝の剪定に努め、減少傾向にある。

桜天狗巣病 (wiches bloom)

テングス病は、Taphrina wiesneri (Rath.) Mix という糸状菌(カビ)の一種によっておこるとされ、枝に発生する。はじめ枝の一部分が膨れてコブ状になり、その先から小枝が不規則にほうき状になる。1〜2年経過すると小枝が増えて大きくなる。病枝の葉は緑色〜褐色〜黒褐色に変化し、最後には全体がしおれて枯れる。変色部の葉の裏には、灰白色の粉状物が5〜6月に形成されて他枝に伝播する。

防止法
薬剤散布による方法もあるが、公害(環境)問題があるため実施できない。そこで現在本校で実施している病枝を切り落として、町に処理して貰う方法をとっている。
いのちのたび博物館・自然史友の会 樹木医・宇佐美暘一氏からの手紙(抜粋)

・・・・・他の品種でもおこりますが、ソメイヨシノ病といってもよい位です。発生しやすい場所は、沢沿いや谷間、霧の発生しやすい山地など空気中の水分含量と日照が関係する様です。4月中旬頃病枝についている小葉がちぢれ、その裏に灰白色、粉状の子実層(肉眼でも見えます)に形成された子のう胞子が雨などによって空中にまかれ、伝染するといわれています。・・・・放置すれば、病枝は増え続けついには枯死することもあるのでやっかいです。唯一効果的な方法は、病枝を徹底的に取り除くことです。時期は、胞子が飛散する前、冬から春にかけて取り除きます。この時期であれば病枝を発見しやすくもあります。ただ病原菌は切り口の内部にも残りますので、傷口の癒合を早める効果もある殺菌剤トップジンMペーストを塗布しておきます。これを3年位続けると病気の発生をおさえることが出来ます。・・・・病枝の切除と焼却というと簡単なようですが、実は大変な作業で高所作業車が不可欠です。エドヒガンとオオシマザクラの交配によってつくられたソメイヨシノのクローンを植えすぎたつけともいえるえしょう。・・・

いのちのたび博物館・自然史友の会